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コロナウイルスがアフリカの新聞業界に与えた影響とは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 238:2021年11月15日配信】

コロナウイルスによって南アフリカ地域のメディア環境が悪化、新聞業界に大きな打撃

英題:COVID-19 Worsened Environment for Media in Southern Africa, Especially Print Journalism 

記事リンク:https://www.voanews.com/a/covid-19-worsened-environment-for-media-in-southern-africa-especially-print-journalism-teaser-researcher-newspapers-and-magazines-were-hard-hit-by-the-pandemic/6309660.html

こんばんは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

これまでPick-Up!アフリカでは農業、貿易、観光といった側面からコロナウイルスがアフリカに与えた影響をお伝えしてきましたが(関連記事1~3参照)、今回は報道に焦点を絞り、コロナウイルスがアフリカの紙媒体メディア業界に与えた影響についての記事をご紹介します。

コロナウイルスがアフリカの紙媒体メディアに与えた影響

記事では、南アフリカ地域のメディアのうち、紙媒体である新聞や雑誌業界がコロナウイルスによって大きな打撃を受けているという事実が共有されています。コロナウイルスによるロックダウンや移動制限措置によって安易に外に出ることが出来なくなった人々はインターネットやテレビといったオンラインメディアに頼らざるを得なくなったため、紙媒体のメディアの販売部数、収入が激減しました。

そのことについてこちらの記事では、一部では多少売り上げを伸ばしているメディアもあるものの、2021年の第一四半期中、南アフリカで最も販売部数が多かったDaily Sunが前半期と比べて11%、同様にCity Pressは同社で過去最高である7.72%の売上ダウンを記録したという事実が共有されており、大部分で紙媒体メディアが大きな打撃を受けていることが示されています。

こうした状況によってこれらのメディア業界は苦境に陥り、人員削減や大規模な変革を余儀なくされました。実際に記事では、ジンバブエのAlpha Media Holdings社が自社の新聞の発行をとりやめて全ての発行物をオンラインに移行し、オンライン新聞の作成に直接関わっていない人員を解雇するとともに、全てのスタッフに対して50%給与を削減しているという事例や、南アフリカの、Associated Media Publishing社が、Cosmopolitan、House & Leisure、Women on Wheelsなどの雑誌の発行を中止し、Caxton社とCTP Publishers & Printers社は、雑誌部門の閉鎖を発表したという事例が紹介されています。

さらに今回紹介しています記事でも名前の出てきている数社の動向がこちらの記事では詳しく紹介されています。中でもウガンダのNew Vision社が現地語で発行する4つの地域紙の制作を停止したことや、ナイジェリアのThe Punch、 The Guardian、Vanguardといった新聞がコロナウイルスによる影響からオンライン進出を進めていることが紹介されています。

こうした事例から、コロナ禍によってアフリカ全土で紙媒体のメディアが存続の危機に陥っており、オンラインへの移行を余儀なくされている状況が見えてきます。

こちらの記事ではコロナウイルスの影響で2020年には紙の新聞や雑誌の発行部数が激減した一方でオンラインメディアの読者が76%上昇したというデータが紹介されており、メディアの急激なオンラインへの移行が進んでいると言えます。

紙媒体メディアのオンライン化とその問題点

こうした移行はメディア業界にとって重要な生存戦略である一方、その実施には問題点があることが指摘されています。

そのことに関して、先ほどの記事ではコロナウイルスの影響による急激なメディアのオンライン化が一部地域での情報のアクセシビリティを低下させると述べられています。

アフリカでは先進国と比べてインターネットの普及が進んでおらず、記事では約60%のアフリカ人が未だ、それにアクセスする手段を持っていないと言われています。特にブルンジでは、全土に光ファイバーネットワーク網が存在しているにも関わらず、インターネットへのアクセスを持っているのは人口の10%のみであると示されています。

こうした状況はデータ料金や電気代の高さに起因しており、特に収入の低い農村部ではインターネット端末を持っていない人々が多数を占めています。

そのため、紙の新聞は今も多くの人にとって重要な情報源であり、それが発行されなくなるとメディアの情報にアクセスできなくなる人が発生します。そのためにインターネットが普及しきっていないアフリカでのメディアの急激なオンライン化は一定数の人々への情報供給を遮断してしまうという問題があります。(文末記事7)

また,メディア業界がオンラインに集中することによってアフリカのメディア企業が十分な利益を得ることが出来なくなるという指摘もあります。

こちらの記事では、出版がオンラインに集中することでメディア企業が、ソーシャルメディア・プラットフォームや検索エンジン、ウェブサイトからの広告費獲得競争の激化に直面しており、デジタルメディアの成長にもかかわらず、デジタル収入の流れは印刷収入の減少を十分に相殺できていないと述べられています。

またこちらの記事ではNetflixがケニアへの進出を始めていることについて書かれていますが、こうしてグローバル企業のオンラインコンテンツがアフリカに進出することで中小メディアが収入を集めることがさらに難しくなると考えられています。

そのことに関してこちらの記事では、2018年のオンライン広告費のうちGoogleとFacebook2社が全体の61.4%を集めており、今後さらにこの複占状態が強くなっていくと予想されていることが紹介されています。

こうした状況から、アフリカの紙媒体のメディアはオンラインに移行することを余儀なくされているものの、オンラインに移行したとしても厳しい現実が待っているという窮地に陥ってしまっていると考えられます。

コロナウイルスが収束した後もこうしたメディアの厳しい状況は継続すると考えられており、記事では、劇的な転換かドナー資金といった外部からのサポートが無ければ、多くのメディアが困難から抜け出すことができないと述べられています。

しかしながら、メディアは社会にとって必要不可欠なものであるため、今後どのような展開を見せるか気がかりなところです。

この件について新しい情報が入りましたら今後お伝えさせていただきます。

関連記事:

1.新型コロナウイルスでアフリカの農業はどう変わったのか?【Pick-Up!

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