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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
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フランス語圏アフリカの道のり【Pick-Up! アフリカ Vol. 226:2021年10月19日配信】

21世紀のフランス語圏アフリカはどうなっていくのか

仏題:En Afrique, quelle francophonie au XXIᵉ siècle ?

記事リンク:https://theconversation.com/en-afrique-quelle-francophonie-au-xxi-siecle-168590

内容と背景:

本日はフランス語圏アフリカに関する記事をご紹介します。

帝国主義の時代に欧米諸国がアフリカに続々と進出していきましたが、その中でも突出してイギリスとフランスがアフリカに対する影響力を強めていきました。その過程の中でこれら2つの言語がアフリカの多くの人々に話されるようになり、アフリカは大きくフランス語圏と英語圏に分割されることとなりました。

現在アフリカでは54か国のうち24か国で英語、29か国でフランス語が話されているといわれており、(文末記事1. 2.参照)未だにこれらの言語が大きな影響力を持っています。しかしながら近年、フランス語圏であったルワンダの英語圏参入や中国のアフリカ進出などにより、英語圏とフランス語圏の影響力に変化が生じていることが指摘されています。

今回の記事では、こうした変化を受けてフランスがフランス語圏アフリカとの関係性を再構築、強化することを目的にNouveau Sommet Afrique-France(アフリカ-フランス新サミット)を開いたことが示されています。このサミットではそれぞれの国から来た起業家、アーティスト、研究者らが市民の関与、起業とイノベーション、高等教育と研究、文化とスポーツといった議題についての意見を交わしました。

このサミットはフランス語圏アフリカとの関係強化のために開かれたわけですが、これはフランスにとって重要な議題となっています。現在全世界で約3億人存在するフランス語話者は2050年には約7億人にまで数を伸ばすと考えられていますが、これはフランス語圏アフリカにおける人口増加によるものだと推測されています。こちらの記事には2019年に44%であった全世界におけるアフリカ人フランス語話者の割合が、2050年には85%にまでのぼると示されており、フランス語圏アフリカが今後フランスにとって重要な役割を果たすと予想されるのです。

このようにフランスからの大きな期待を受けているフランス語圏アフリカですが、それに対して彼らは今後どのような変化を見せると予想されているのでしょうか?

組織的なフランス語圏の形成は第二次世界大戦後、イギリスやアメリカによる英語圏の拡大に対抗する形で行われ、フランコフォニー国際機関(Organisation internationale de la Francophonie, OIF)やフランコフォニー大学機構(Agence Universitaire de la francophonie)といった国際組織が形成されました。

OIFは様々なレベルでフランス語を使用している88か国の国によって形成されており、フランスはもちろんのこと、フランス語圏アフリカのみならずカンボジア、ルーマニアなどフランス語話者人口が少数の国も加盟しています。

こうして世界中のフランス語圏を結びつけ、その影響力を強めたフランス語は英語と並ぶ世界言語として成長し、冷戦期には社会主義に対抗する勢力として大きく活躍したと言われています。このように繁栄を見せていたフランス語圏ですが、現在のフランス語圏アフリカの側面から見るとその繁栄に陰りが見え始めています。

記事では、その理由の一つとして、フランス語圏アフリカではエリートのみがフランス語圏の恩恵を受けられることが挙げられています。

この状況について説明をするためには植民地時代のアフリカ植民地化政策に目を向ける必要があります。植民地時代フランスはアフリカの文明を進化させることを目標の一つとして掲げていましたが、実際はフランス語教育を現地のエリート階級にのみ施し、その他の人々には教育の機会を与えないようにしました。フランス政府はこうした政策によって政府の最下層の仕事を現地のエリートに任せる一方で、その他の人々を効率的に支配しようとしていたのです。

このように一部のエリートのみにフランス語教育が与えられたことで、フランス語を話せることが彼らの権力保持の材料とされる状況に陥りました。そのためにフランス語が高等教育や政治において重要な役割を担っている一方で、未だにエリートのみがフランス語を話すことができるという状況があります。

これらは最新の資料ではありませんが、OIFによる調査(2014)によると、フランス植民地化の中心地とされていたセネガルでさえフランス語を話せる人口は29%のみとされており、またこちらの記事ではセネガルでフランス語を流ちょうに話せる男性は15~20%、女性は1~2%であることが示されています。

このように、フランス語圏アフリカでは(少なくともセネガルにおいて)フランス語へのアクセスは今でも限られています。そのために、フランス語圏の先進国の恩恵がエリート層に留まり、それが多くの人々まで届かないという状況があります。実際にこちらの記事では、セネガルではフランスとの経済的、政治的関わりが強いもののそれが貧困層の生活改善に寄与することはなく、依然40%もの人が貧困の状況にあることから反フランス感情が拡大していることが示されています。この事例にあるように、フランス語圏アフリカの中でフランスとの関係に疑問を持つ声が上がりつつあります。

また記事には、別の理由としてアフリカで言語の競争が激化していくという状況も挙げられています。

2050年にはアフリカでのフランス語話者数が全体の85%までに増加し、話者数の面で大きな成長を見せると考えられていますが、英語話者数も同様に増加すると考えられています。実際にこちらの記事ではアフリカでの英語話者はすでに2.3億人ほど存在していることが示されているので、人口増加の過程で英語もフランス語と同じように大きな勢力を保つことが予想されます。

また中国がアフリカへの進出を強めていることも言語競争を激化させる原因となっています。こちらの記事にあるように、中国は政治的、経済的にアフリカとの関係を強めようとしており、アフリカにおけるビジネス、貿易、インフラ整備などへの投資を強めています。こうした関係強化により中国のプレゼンスが高まってきており、アフリカにおける中国語の重要性が増加しています。

記事では、これらの理由によってフランス語圏アフリカにおいてフランス語圏から抜け出す動きが広まっていると述べられています。2009年にはルワンダが行政言語や教育言語を英語に変更して経済的成長を果たしました。こちらの記事では英語圏に参入したルワンダに対してフランスが関係強化のためにマクロン大統領のルワンダ渡航やフランス文化センターの設置を行ったことが示されています。

そうした努力にも関わらずルワンダでは英語話者数がフランス語話者数を超えており、国内でのフランス語の衰退が見て取れます。それに加えて現在ガボンも英語圏に参入するための準備を始めており、こうした流れは他のフランス語圏アフリカでも「脱フランス化」を引き起こしています。 

実際にルワンダやガボンのように劇的な変化はないとしても、教育言語の選択肢においてこの兆候は見え始めており、いくつかのアフリカの国では中国語が学校のプログラムの中に取り入れられ始め、教育言語として英語のみを使う学校も増えてきていると述べられています。

このような「脱フランス化」の流れから、人口増加では大きな成長を見せると推測されているフランス語圏アフリカが、実態としては衰退の流れの中にあると言うことができるでしょう。こうした2面性を持っているフランス語圏アフリカはこれからフランスとの関係性の上で大きな変化を見せると考えられています。またこの件について新しい情報が入りましたらアップデートしてお伝えしていきます。

関連・参考記事:

1.

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