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ロシア-ウクライナ紛争がアフリカに与える影響は?【Pick-Up! アフリカ Vol.13:2022年3月4日配信】

ロシア-ウクライナ紛争がアフリカに与える影響は?

訳 :  ウクライナでの紛争はアフリカにとって何を意味するのか?

英題:What does the war in Ukraine mean for Africa?

記事リンク:https://www.brookings.edu/blog/africa-in-focus/2022/02/25/what-does-the-war-in-ukraine-mean-for-africa/

こんばんは!pick-up!アフリカです。いつも記事をご覧いただき、ありがとうございます。

本日は、ロシアーウクライナ紛争の勃発によってアフリカにどのような影響が起きているのかについて書かれた記事をご紹介します。

現在ロシアがウクライナ領土内での軍事行為を開始したことにより、現地のみならず、世界経済にもあらゆる影響が及んでいます。

今回の記事では、主に経済面とウクライナ‐アフリカ間の留学生事情から、この紛争によりアフリカ地域に予想される影響についてお伝えします。

世界とアフリカの貿易事情

まずは、世界の貿易におけるアフリカの現在の立ち位置を説明します。

WTOが発表しているレポートによると、大陸内の国間の違いはありつつも、2018年の時点でアフリカ全体の輸出総額の57%を石油資源や鉱物資源が占めており、28%が工業製品、残りの15%が農産物であると推定されています。(参考記事1)

経済産業省が発表しているデータによると、2016年末時点で確認されている世界の天然資源の確認埋蔵量において、石油、天然ガスにおける世界全体に対するアフリカの占める割合はそれぞれ約7.5%、コバルト、プラチナ、クロムなどの鉱山資源に関してはそれぞれ54.7%、95.8%、40.0%を占めているそうです。(参考記事2)

また鉱山資源以外の第一次産品として、農産物の輸出がアフリカの主な輸出産品となっています。私たちの過去記事でもご紹介したように、農業はアフリカ諸国のGDPの多くを占める主要産業の一つであり、貿易上でも重要な輸出産業となっています。

天然資源の規制による影響

次にロシア、ウクライナ両国とアフリカ諸国の関係性について、今回取り上げた記事を踏まえて説明します。

引用元の記事によると、ロシアの輸出総額の上位には石油や天然ガスなどの石油資源が多くランクインしているようです。

加えて別の記事を引用すると、自動車の排ガス部品やスマートフォンの半導体に使用されるレアメタルであるパラジウム、プラチナにおいて、ロシアはそれぞれ産出量世界一、二位を誇っているようです。(参考記事3)

経済的な観点で見ると、今回の紛争により、石油や天然ガスをはじめとした天然資源の不足からアフリカに埋蔵されている石油資源へと注目が集まっているようです。

また記事によると、南アフリカはロシアに次いで世界第二位のパラジウムの生産地であり、ロシアに対する輸出規制によって、南アフリカ産の需要が高まることが予想されています。

ただ一方で、石油価格の高騰がアフリカの農家に間接的な悪影響をもたらす可能性も記事内で示唆されています。

記事によると、石油価格の高騰が肥料価格の上昇を引き起こすことが予想されており、土壌肥沃度が低く、化学肥料の使用が欠かせないアフリカの農家にとっては深刻な問題であるとされています。肥料の主要成分である尿素とリン酸は、2021年末の時点ですでにそれぞれ30%と4%の価格上昇が見られているようです。

アフリカの農業と化学肥料の関係性については、こちらの記事もぜひご参照ください。(関連記事1)

小麦の価格高騰は商品価格に打撃か

続いて、ウクライナの主要産業について説明します。元記事から引用すると、ウクライナにはチェルノーゼムと呼ばれる肥沃度の高い土地が多く存在し、国土の70%が農地である農業大国として知られていると書かれています。そのため、輸出品目の上位はトウモロコシ、小麦、大豆などの農産物が占めています。

ロシア、ウクライナ両国に共通して言えるのが、世界的な小麦の産地であるということです。Aljazeera社が発行しているこちらの記事によると、2019年時点でロシアは小麦の輸出量で世界一を誇っており、世界の小麦の輸出量の18%以上を占めています。

またウクライナも同様に、2019年時点での世界の小麦の総輸出量の7%を占めており、これは世界第五位の数字だそうです。(参考記事4)

今回の紛争の影響により予想される小麦の産出量の低下は、アフリカ諸国に直接的な影響を与えることが予想されています。

記事によると、エジプトをはじめとするアフリカ北部や、サブサハラの国々には小麦の純輸入国が多く、そのほとんどがウクライナやロシアで生産された小麦を輸入していると記されています。

別の記事から引用すると、2020年度アフリカ諸国はロシアからおよそ40億ドルの農産物を輸入しており、そのうちの9割を小麦が占めているそうです。同様にウクライナからも2020年度に29億ドルの農産物を輸入しており、その内訳は小麦がおよそ48%、トウモロコシが31%、残りが植物油、大豆などであると書かれています。(参考記事5)

アフリカからの輸出品目に関して言及すると、こちらの記事内では、ケニアの茶産業への影響が予想されています。記事によると、ロシアはケニアの茶葉の消費国で世界第五位の消費量を誇っており、ロシアへの貿易規制により、直接的な影響を受けることが予想されています。(参考記事6)

ケニアの茶葉栽培については、ぜひこちらの記事もご参照ください。(関連記事2)

ウクライナへの留学生

最後に、アフリカからウクライナへの留学生についても言及します。

こちらの記事によると、ウクライナは学費の安さからアフリカ人学生の主要な留学先として人気を集めており、現在も多くのアフリカ人留学生が滞在していることが記されています。記事によると、ウクライナに最も多くの留学生を派遣している国はモロッコ(約8000人)、ナイジェリア(約4000人)、エジプト(約3500人)となっており、この数字は2020年のウクライナ国内の外国人留学生の約20%を占めるそうです。

今回のロシア‐ウクライナ間の紛争によって、ほかの国々と同様にアフリカ諸国の生活にも影響が及ぶことも今後予想されています。

私たちpick-up!アフリカは、この紛争の一日でも早い終結を心から願うとともに、今回取り上げた経済面での影響以外にも、両国とアフリカ諸国の関係性について、今後も取り上げて行きたいと思います。

参考文献

1.Strengthening Africa’s Capacity toTrade | WTO – Link

2.第6節 中東及びアフリカ:通商白書2018年版(METI/経済産業省) – Link

3.Russia Is One of the Biggest Producers of Palladium.

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