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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / アフリカ進出支援コンサルティング
アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / アフリカ進出支援コンサルティング

ルワンダでのオフショア開発とソフト開発企業の経営と育成のお話の第2回です。

こちらの記事は、エンジニアに関する知識を記録・共有するためのサービス”Qiita”に掲載した内容を、PickupAfrica向けに加筆修正したものになります。

第2回の主な内容

開発輸入実証事業に採択されて初めてルワンダの地を訪れたこと。
実証事業の中で行ったことや、印象に残ったこと。

今回は、ルワンダの紹介も兼ね、写真多めでルワンダの雰囲気を伝えていければと思います。

初めてのアフリカ大陸!!

2012年の8月。ひょんなことからアフリカと接点を持ってから約1年後、私はルワンダ共和国の首都、キガリ市の国際空港に降り立ちました。ITエンジニアとしてやってることもあり、漠然とアメリカへの憧れはあったものの、特に世界を股に活躍したいという思いはなく、また世界中旅行したいという欲求もない自分にとって、まさか人生において、アフリカ大陸に降り立つ日が来るとは思っていませんでした。

カタール航空でドーハ経由が当時は最も早く到着できるルートでした。

この記事をご覧になっている皆様もアフリカのイメージはそれぞれお持ちかと思いますが、写真がルワンダの景色です。市街地にあるホテルの屋上のレストランで撮ったものです。千の丘の国と呼ばれるぐらい、なだらかな丘の続く森の国です。赤道直下に位置しますが、この写真の首都キガリは1,500メートルの高地にあり、日本でいうなら夏の軽井沢が一年中続くような、本当に気候の良い国です。実際、夏や冬に日本から行くと、戻りたくない感じです。

市街地のホテルの屋上のバーからの景色

開発輸入実証事業による支援について

まず、開発輸入実証事業について簡単に説明すると、日本貿易振興機構(JETRO)が、アフリカから輸入できる商品の開発と輸入にチャレンジする日本の民間企業を支援する仕組みです。その後、アフリカビジネス実証事業と名前が変わりましたが、今現在でもやってるかどうかはわかりません。

基本的には”モノ”の輸入などの実証にかかる事業であり、我々のようなソフトウェアのオフショア開発というテーマを実証事業で扱うのは、JETROとしても初の試みとのことでした。オフショアだと一応海外で開発したソフトを輸入するという立て付けになりました。
そういった経緯もあり、JETROの担当の方々も新しい取り組みということで、大変熱心にサポートして頂けたことを記憶しています。

また、2年間の実証事業の間での費用的な面でのサポートしては下記のようなものがありました。
・現地出張の旅費
・現地からの関係者の招聘にかかる旅費
・展示会出展にかかる費用
これら以外にもいろいろとメニューがありましたが、我々が扱うのがソフトウェアという、物理的にモノが動くものではないため、制度上つかえるのはこれぐらいで、使える予算を全然消化できなかったりしました。

それでも、期間中4~5回にわたる出張と、現地からの招聘の旅費等がまかなえるだけでも十分ではありました。

また支援としては金銭面だけでなく、現地に出張し様々な機関に紹介いただく際、ただ民間の1企業としてはアレンジが難しいであろう、日本の支援で作られた現地のアントレプレナーやITエンジニアが集うコワーキングスペースのkLab( https://klab.rw/ )、ルワンダ開発局、駐ルワンダ日本大使館、同じく日本の支援の入っている、高専に相当するTumba(トゥンバ)カレッジなど、非常にタイトスケジュールながら多くの施設、機関に訪問させていただくことが出来ました。
このような機会の中、こちらのアイディアを共有したり、それに対するいろいろな意見や考えを知ることができたので、こういったことの後ろ盾という点でも、お国の力を借りれるのは大変ありがたかったです。そして、そういった環境を作り上げてきた関係機関の方々の努力と積み重ねの力に感謝するものでありました。

もし、今後海外、特に途上国に進出したり、ビジネス的な関係性を作り上げていきたいと考えたときは、是非、JETROやJICAとコンタクトを取り、アイディアを共有し、どういったことが出来るか相談してみることをお勧めします。

で、ルワンダの話。

話がそれましたが、それで、ルワンダの地に降り立ちました。
ちょうど、ルワンダを紹介されてから1年後のことです。

普通だと、オフショアを考える際、まずは先に現地に訪れたり、複数企業に当たって選定したりして発注するかどうか決める流れなんだろうと思いますが、私は順番が逆になりました。
が、結果これが功を奏したと、今になると思います。
もししっかり調査・検討してから取り組もうというスタンスで始めたら、そこでNGとなりその先に進まなかった可能性も結構あったのではないかと思います。やはり出会いと直感は大事ですね。

それにあるとき、あるセミナーだったかで、日本のアフリカビジネスの先駆者と呼ばれる方のお話を聞いたことがありました。
その時に印象に残っている言葉が
「アフリカを目指してフィジビリティスタディすると、大体NOになって終わる。」
でした。
その時どこまで具体的にその方が話されたは覚えてませんが、「フィジビリしている時間があったら、まずは取り組んで結果出すべく四苦八苦してみるべきだ」という風に私には聞こえました。

なので、実証事業の中で出張する目的としてはフィジビリの立て付けでしたが、自分自身はフィジビリするつもりはさらさらなく、これを機に現地側との関係性強化してもっと仕事につなげていくつもりでいました。(JETROの方見てたらごめんなさい。結果オーライでいいですよね・・?)

ルワンダ雰囲気

今はネットがあるので、ルワンダに行く前にいろいろ写真や情報は得た状態ではありましたが、それでも現地についてみると、思ったより発展しているし、街もきれいで落ち着いたところだなという印象でした。

近年オープンした国際会議場の周辺はとても近代的。

今でもやはり現代のアフリカの様子って日本にはあまり伝わっておらず、ステレオタイプなイメージはまだまだ残っていると思いますし、最初は自分もその一人でしたが、実際行ってみると、日本の地方都市ぐらいの規模感は十分にありますし、飲食店も地元アフリカ料理だけでなく、日本料理、アジア料理、イタリア料理、インド料理、中華料理、ハンバーガーなどのファーストフードと一通りあり、まったく飲み食いには困りませんでした。

そして、なんといってもビールが安くてうまい!

ルワンダ地元ビールの1つ「プリムス」

ルワンダは独立前、ベルギーの植民地であった経緯からか、地元産のビールがあり、このテイストはどことなくベルギービールを感じさせるもので、とても美味しいです。
ルワンダのレストランは、大体がオープンテラスの開放的なつくりになっていて、気候の良さ、テラス席から見える景色の良さ。丘に沿って町があるため、レストランから見ると、遠くまで電飾された丘が並んでるようでとてもきれいな景色です。写真では伝わらないこの雰囲気のなかで飲むビールは最高で、割と毎晩深酒してしまいます・・

なんと、寿司、ラーメンまでありました。左上が定宿での朝食。おいしいです。写真に無いけどその場で作ってくれるオムレツも毎朝の楽しみ。

あと、治安も非常によく、2011年の当時から現在に至るまで、ルワンダのキガリはアフリカでもっとも安全な都市だと評されています。夜歩いていても怖い目に合ったことはありませんし、当然犯罪にあったこともありません。(とはいえ日本ではないので、最低限注意しなければならないことはあります。)

実証事業中、印象に残ったエピソードなど

実証事業は2年間ありましたので、時系列というよりは印象に残っていることを順不同に・・

・ビジネスパートナーと初対面

 やはりこれが最大の目的です。初めて会ったときの印象は、背高っ!スタイルいい!話し方すごい落ち着いてる!と、オンラインでのやりとりでも洗練された印象がありましたが、リアルに会うとますますその印象が強まる感じでした。自分はどう見えてただろうか、、ソワソワしてたかな・・。余談ですが、彼が日本に訪れた際、スーツを買いたいということで、大きめのサイズ扱ってる紳士服店に連れて行きましたが、既製品では全くサイズ合わないということで、買えませんでした。また事前に聞いてはいましたが、彼はルワンダ人ですが大学はアメリカの大学を出ており、ドイツでの就業経験もあるということで、なるほどそれでアメリカ人と仕事してる時とあまり違和感ない感じだったんだと理解しました。実は私も起業する直前は、アメリカ発のベンチャー企業に在籍し、日本オフィスで日本への展開を担当していましたので(やっぱり潰れました)その経験と比較して、です。

約10年前の初出張時。現地のとあるオフィス前で。私は176cmですが、この身長差・・

・バスでの出来事

あるとき現地の路線バスに乗りました。
このバスに乗ったときに、いろいろと国民性を垣間見た気がして、今でもすごく覚えています。
途上国に対して勝手に持っていたイメージをことごとく覆された気がします。

このバスですが、バスといっても、日本の大型の路線バスではなく、いわゆるマイクロバス。そこに補助席だしていっぱいに座ります。小さいバスに定員を超えて、なんだったら一部の人がはみ出しながら乗るような、イメージかもしれませんが実際には全然違って、座席数以上には人を乗せないのです。おそらくルールで決められてるのでしょうが、ちゃんとそれが守られてます。
まずこれが1点目に気づいたこと。

次に、その乗り方。
バスなので、バス停ごとに乗り降りがありますが、バスの中は補助席まで出してるので後ろの人は当然そのまま出れません。バス停につくと降りたい人が手を挙げ、補助席の人は立って通路を確保し降りていきました。その後、誰かに指示されることもなく、それぞれ席を奥につめて、新たに乗ってくる人が前のほうに乗る、そんな暗黙のルールがあるようでした。これが2点目。

最後に支払い。
コロナ前に最後に行った19年頃は、すでにバスでもタッチ式のICカードでの支払いが出来るようになりつつあり、このあたりでもどんどん近代化していますが、初めてルワンダに行ったときに乗ったバスはまだ現金でした。
この現金回収の様子に驚きました。
バスの入り口に若いお兄さんが運賃回収係兼、乗り降りの案内のような感じで立って乗ってたのですが、まだお金払ってない人~みたいな感じで声をかけると、後ろのほうにいる人が手を挙げて支払すると申し出ました。
ただ、奥なので距離があります。どうするかというと、奥の人が前の人にお金を預けます。それがリレーされてお兄さんのもとに届きます。その後お兄さんはお釣りを用意し、またリレー形式で払った人に戻っていきます。
これ、びっくりしました。これが成り立つんだ!と。

この3つの様子から、何か思いませんか?
そう、なんだか日本っぽくないですか?

この後にも、それを感じさせるエピソード書こうと思いますが、ルワンダ人が気質的に「アフリカの日本人」のように言われるのを結構聞きましたし、私もそう感じました。ただし、そう評するのは私が聞くかぎり日本人からだけで、ほかの国の人からそのような論評は聞いたことがないです。

とはいえ、実際これまで仕事する中で、やはり気質的には合うなという感覚はずっとあって、これまで50以上のプロジェクトを一緒にこなしてきましたが、文化の違いからくるストレスというものは、それほど大きく感じずにやってこれたと思っています。(まったくないわけではないです。)

この後引き続き、

・一緒に残って仕事してくれるエンジニアたち
・あれは・・合コンなのか??
・日本にルワンダ人エンジニアを招聘。展示会へ参加。初めて訪れる海で悪戯のつもりが大変なことに。
・アフリカ開発会議(TICAD-5)での新たな出会い
・引き出しに残ってた、「ありがとう」と日本語で書かれたメモ__

あたりを書こうと思いますが、、今回はここまでにします。

次回予告

今回は、実証事業に採択され、その後2014年に現地の関連会社 WiredIn社が立ち上がるところまで書くつもりだったのですが、書き始めると色々あり、そこまで行きませんでした。
次回こそ、WiredIn社設立前後まで辿り着きたいと思います。

今回の続き
WiredIn社設立
どのようなオフショア体制を構築したか

あたりを書きたいと思います!

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