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アフリカ・ルワンダ オフショア開発 / 進出支援コンサルティング
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みなさま、こんばんは!

さて、本日は農業セクターから、まず気候に配慮した農家向けソリューションを開発するケニアのアグリテックスタートアップLenteraがモーリシャスへと事業拡大を行ったという最新記事、そして小規模農家向け干ばつ予測ソリューションを開発しそのサービス展開を行う、同じくケニアのアグリテックスタートアップITIKIのビジネス事例を紹介している記事、2本をお届けいたします!

ぜひお読みください!

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記事1:「ケニアのLentera;モーリシャスへ事業拡大」

『Kenyan agri-tech startup Lentera expands to Mauritius via manufacturer partnership』

記事リンク:

内容と背景:

本日は農業セクターからの話題をお届けいたします。

2017年よりアフリカの農家向けに気候に配慮したソリューションを開発するケニアの農業技術スタートアップLenteraが、この度1975年からアフリカ東南部地域にて高品質で手頃な価格の肥料を製造および流通させている主要肥料メーカーのモーリシャス科学肥料産業(以下:MCFI)と提携し、モーリシャスへの事業拡大を行いました。

2017年に設立されたLenteraはケニアを中心にソフトウエア、気象センサー、ドローン、衛星画像などの精密農業サービス、および市場状況に関する自動アドバイザリーサービスを提供する農業技術スタートアップです。

同社は将来的にアフリカ大陸の東南部全域への事業拡大を目指しており、今回のモーリシャスへの事業拡大はその導入と言えます。

同社はこの提携により今後MCFIの顧客に対して、衛星ベースの作物健康分析と作物モデリングサービスを中心にサービス提供することとなります。農家らはこれにより毎週、専用のモバイルアプリケーションを介して配信される作物衛星画像、土壌水分分析、高度に局所化された天気予報サービスにアクセスできるようになります。

Lenteraの創設者兼最高経営責任者(CEO)であるMoses Kimani氏はMCFIと協力してモーリシャスの農家にサービスを提供できることは非常に名誉なことであると前向きな言葉を発信しています。

また、MCFIの事業開発マネージャーであるDheer Roy氏も、有望なアフリカ企業と提携し、衛星技術とモバイル技術を通じて母国とアフリカで農業を変革することで、農家が真の価値を享受できるようになると信じていると期待の色を示しています。

以前から面白記事でもたびたびご紹介していますが、このように農業を最先端技術で変革させようとするアグリテックビジネスは近年注目の集まる分野です。農業のみならず、医療や教育、ロジスティクスなど様々なセクターで最先端技術を活用したソリューションが生み出され実用化される中、その土台となる通信衛星環境も早急に整備する必要性に迫られていると考えられます。関連記事にはアグリテックや通信衛星に関してご紹介した過去の面白記事やコラムを載せていますので、ご関心のある方はぜひお読みください。

関連記事:

  1. 「コラム Vol.3」Link
  2. 「コラム Vol.4」Link
  3. 「面白記事 v.84 記事2」Link
  4. 「面白記事 v.90 記事2」Link

記事2:「ケニアのITIKI;小規模農家向け干ばつ予測ソリューションを開発」

『Agritech startup, ITIKI simplifies rainfall forecast for Africa’s small-scale farmers』

記事リンク:

https://techpoint.africa/2020/07/29/itiki-agritech-startup/

内容と背景:

続いてもケニア発アグリテックビジネスの事例をご紹介いたします。

2011年から2012年にかけて南アフリカ中央工科大学のインキュベーションハブにてMuthoni Masinde教授と研究者のグループがアフリカの小規模農家向け干ばつ予測ソリューションITIKIを開発しました。ITIKIではAIアルゴリズムを使用する人工ニュートラルネットワークを介した予測が行われています。当初は無料でのサービス提供を考えていたものの、真に価値のあるものであるとユーザーに認識してもらうことを目的に2013年よりビジネスでの実用化に至っています。

CEOであるMasinde氏率いるITIKIは設立以来、中央工科大学からのシード資金、USAIDから50万ドルもの募金、また南アフリカ政府からの出資を受け、ケニア、モザンビーク、また南アフリカへと事業拡大を果たしています。同社はケニアではすでに1万人以上ものユーザーを保有しており、3カ国ですでに一定のユーザーベースを誇っています。

主に自給自足で生活する小規模農家にターゲットを絞った同サービス最大の特徴は、農民らの言語や文化、慣習に根ざしたSMSでのサービス提供を実施している点です。

Masinde氏の話によると、同社では例えば降雨情報を提供する際、「通常通りトウモロコシを育てるには今シーズンの降雨量は不十分であるため他の雑穀類を育てるのはどうか」と伝えたり、あと3週間で雨季が終了してしまうため植栽を停止するようにアドバイスしたりと、単に降雨量などデータからわかる情報を提供するだけでなく、農民らの使用する言語で、彼らの行動パターンに沿った一歩先のアドバイスを提供しているようです。

同社がすでに一定のユーザーベースを獲得できているのも、このように農民の抱える課題を正確に把握し、地域言語や慣習に根ざした形で正確にアプローチできているためではないかと考えられます。

記事の中ではITIKIが小規模農家にターゲットを絞った理由に関して詳しく述べられています。アフリカ大陸で生産される食料の約80%をも生産し、植栽活動のほぼ95%を天水に頼る小規模農家らは、保険や銀行ローン、また灌漑システムへのアクセスが可能である大規模農家とは異なり、資金やその他のリソースへのアクセスがない場合が多いため、自然リスクに対して非常に脆弱です。

Masinde氏は小規模農家にターゲットを絞った理由として上記のような利他的な意図の他に、小規模農業セクターがビジネスの観点で非常に魅力的な市場である点を挙げています。現在小規模農業セクターに従事しているのは大多数が女性であり、大陸のGDPへの大きな貢献ポテンシャルを秘める女性をエンパワーすることはアフリカ大陸全体の発展につながると彼女は述べています。

現在は季節払いまたは分割払いでサービス料を支払う小規模農家にターゲットを絞ってビジネスを行っている同社ですが、Masinde氏はB2Cだけでは財務面でビジネスが長く存続しないのではと不安視しています。彼女の話によると、同社は今後自給自足を行う大規模な農家グループを対象とし、現在農家にローンを提供する保険会社や銀行と提携して新たなサービス展開を行うなど、徐々にB2Bへと事業軸を拡大させていく予定のようです。

さらに彼女はアフリカ大陸で労働人口の約60%を占めるとも言われている小規模農家の自立を目指す各国政府の姿勢と自社のビジョンが合致していると述べ、今後政府との協力関係を模索していく姿勢も示しています。

今後1年半以内に東アフリカ、中央アフリカ南部、また西アフリカとそれぞれ1カ国ずつへの進出を目指しているITIKI。将来的なアフリカ大陸全土への進出に向けて順調に収益を獲得し、持続可能なビジネス基盤を構築することができるのか、今後の動向に注目したいところです。


*この記事は弊社が主体となって運営する、日本・ルワンダビジネスコミュニティ(https://www.japan-rwanda.biz)に投稿した記事と同様の内容となります。