皆さんこんにちは。Pick-Up! アフリカです。
近年旅行先として大人気のモロッコ。「サハラ砂漠があるタジンが美味しいサッカー強豪の国」というイメージだけで止まっていませんか?実は今、モロッコはアフリカ随一の工業国へと変貌を遂げています…
今回はモロッコがどんな国か、特に経済面に焦点を当ててわかりやすく解説します!
【30秒でわかるモロッコ基本情報】
項目内容正式国名モロッコ王国(Kingdom of Morocco)首都ラバト(※最大の経済都市はカサブランカ)地域北アフリカ(ジブラルタル海峡を挟んでスペインの対岸)人口約3,780万人(2023年推計)公用語アラビア語、ベルベル語ビジネス言語フランス語(政府・ビジネスで広く通用)、英語も増加中宗教イスラム教(スンニ派)が国教通貨モロッコ・ディルハム(MAD)主要産業自動車、リン鉱石、農業、観光日本との時差-8時間(サマータイム実施時は-9時間など変動あり)ビザ観光目的(90日以内)なら不要
公用語はアラビア語ですが、かつての保護領時代の名残でビジネス文書や商談はフランス語が主流。
ヨーロッパ・アラビア・アフリカの文化が混ざり合った特徴的な国となっています。
【観光】アフリカナンバーワンの観光地
モロッコといえば観光!!
2024年は1740万人の観光客を誘致し、アフリカでトップの観光地の座に君臨しています。(参考)
サハラ砂漠を代表とする雄大な自然、綺麗な街並み、ヨーロッパからのアクセスの良さや物価の安さなどが注目され、日本人観光客からの人気も年々高まっています。日本人は90日以内の観光目的であればビザが必要ないことも大きなポイントです!
魅力たっぷりのモロッコの観光地情報は以下の旅ブログで詳しくチェック!
【治安】比較的良いも要注意
Global Peace Indexから見た、モロッコの治安ランキングは世界85位(日本は12位)。アフリカ内では16位となっています。
↑アフリカ治安ランキングはこちらで詳しく解説。
外務省が発表している危険情報はモロッコ全土で「レベル1」となっており、注意が必要とされています。
統計によれば、モロッコの犯罪発生率(人口比)は日本の3倍以上にのぼっています。
渡航の際は「自分の身は自分で守る」という強い意識を持ち、以下のポイントを必ず押さえておきましょう 。
狙われる「スマホ」と「バッグ」
観光地や都市部での窃盗は日常茶飯事です。
- 「ながら歩き」は禁物: 大通りでスマホを使いながら歩いていると、背後からバイクの二人組にひったくられたり、ナイフで脅されたりする事件が起きています 。
- 「親切な人」に要注意: 「写真を撮ってあげる」と近づいてきた男にスマホを渡した途端、持ち逃げされるケースも 。
- カバンは常に「前」に: 背後から忍び寄られ、気づかないうちにファスナーを開けられて貴重品を盗まれる被害が続出しています 。バッグは前掛けにし、鍵をかけるのが鉄則です 。
「家」や「ホテル」も油断禁物
「建物の中だから安心」という考えは危険です。
- 偽物警官に注意: 警察官の制服が出回っており、偽警官が金銭を要求してくることがあります 。また、身に覚えのない「人口統計調査員」や「修理業者」を装った押し入り強盗も発生しています 。
- ホテルでの貴重品管理: 清掃員による窃盗も報告されているため、短時間でも部屋に貴重品を放置するのはNGです 。
- ベランダも侵入経路: 深夜、就寝中にベランダから侵入されるケースがあるため、1階や屋上階の住居は特に警戒が必要です 。
モロッコならではの「タブー」と「トラブル」
文化や宗教、政治体制への理解が安全に直結します。
- 絶対NG!王室・宗教批判: 国王や王室、イスラム教、政治体制への批判は禁句です 。これらに関連する批判的な出版物の持ち込みもトラブルの元になります 。
- ラマダン中のドライバーは超短気: 断食期間中は空腹によるストレスで運転が荒くなり、事故が多発します 。この時期の道路横断は特に注意してください。
- 写真撮影は「交渉」から: 伝統衣装の人や動物を撮る際は、必ず事前に許可を取り、チップの金額を交渉しておきましょう 。
万が一、被害に遭ってしまったら
命が一番大切です。強盗に遭った際は、決して無理な抵抗をせず、潔く物を渡してください 。
- 緊急連絡先: 警察は「19」(都市部)、救急は「15」です 。
- 盗難届を忘れずに: 保険請求やパスポートの再発行には、現地の警察が発行する「盗難届受理書」が必須です 。
- 大使館への相談: 日本大使館では、通訳支援や相談先のアドバイスを行っています 。
大使館連絡先 (ラバト): 0537-63-17-82〜85 (領事部直通は85)
参照(安全の手引きモロッコ在留邦人向け安全マニュアル, 外務省)
実際の渡航経験から
旅行していた時に少し気になったのが街中での喧嘩!日本ではほとんど見ることはない路上喧嘩を、モロッコでは1週間に3度目撃しました。巻き込まれないようにしましょう。
また、ホステルのスタッフも客と揉めているのをよく見かけ、人にもよると思いますが日本よりも感情を表に出す文化があるなと感じました。
【経済】通称「欧州の工場」
みなさん、モロッコは2026年現在「欧州の工場」と呼ばれ始めているのをご存じですか?
World Bank Open Data(世界銀行)から作成
こちらはモロッコの産業別GDP比(2024)です。観光業を含む第三次産業が52.7%と目立ちますが、注目すべきは鉱業、製造業、建設業、電力、水道、ガス業を含む第二次産業。その中でも特に製造業の成長が顕著です。
Rapport Commerce Extérieur 2024(モロッコ貿易統計年報)から作成
こちらは輸出品目構成です。際立つのが自動車関連産業!自動車関連品目は、電線・ケーブル品目に含まれる自動車ハーネスをはじめ、他の産業の品目にも含まれています。このため、2024年の輸出品目全体に占める自動車関連品目の割合は35%に上ったと報告されています!
自動車生産では、日産自動車株式会社と資本提携及び事業協力を行っている仏のルノーグループが大きな存在感を放っています。
2012年に創業を開始したアフリカ最大級の自動車工場であるタンジェ工場は、敷地面積300ヘクタール(東京ドーム64個分)。日本が誇るTOYOTAの日本最大の工場が敷地面積403ヘクタールであることを踏まえても、ルノーのタンジェ工場の規模の大きさが伺えます。
年間最大約40万台を24時間体制で生産しており、生産車両の9割以上を欧州をはじめ世界70カ国以上に輸出しています。(参考)
質の高い労働力と、欧州に比べて低い製造コストが両立されており、政府が輸出のためのインフラ整備に力を入れたことも追い風となりました。ルノーの工場から輸出港であるタンジェ・メッド港までは専用の乗用車運搬専用の鉄道が通っており、効率的な輸出を支えています。
また、環境配慮にも力が入れられており、国連や欧州委員会から「二酸化炭素排出実質ゼロ」と「産業排水ゼロ」の認証を受けています。
実は、日本企業もモロッコの自動車産業で大活躍しており、部品サプライヤーが高度な技術で自動車生産を支えています。
【進出している主な日系サプライヤー】
企業名主な生産品目・役割矢崎総業株式会社ワイヤーハーネス(国内複数箇所に巨大拠点)住友電装株式会社ワイヤーハーネス(欧州向け供給のハブ)株式会社デンソーエアコンシステムなどの電装部品株式会社ジェイテクト電動パワーステアリング(EPS)AGC株式会社自動車用ガラス(欧州メーカー向け)日本精工 株式会社ベアリング(軸受)株式会社ハイレックスアクトドアラッチ(ドアの開閉機構)
最大の経済都市であるカサブランカは高層ビルの建設ラッシュで、世界の名だたる企業が投資を拡大しています。
写真はカサブランカ・ファイナンス・シティ・タワー。住友商事株式会社、丸紅株式会社等の日本企業も入居しています。
【スポーツ】2030年サッカーW杯開催へ
もちろんモロッコで人気なスポーツはサッカーです。
2022年カタールW杯でのモロッコの躍進は世界を驚かせました。
強さの秘訣は海外組の多さ。選手のほとんどが欧州生まれ・欧州育ちの二重国籍の選手です。1990年代以降、ヨーロッパ(特にベルギー、オランダ、フランス、ドイツ)に定住したモロッコ系移民の子世代が現地の高度なアカデミーで育ち、モロッコ代表を選択する流れが定着しました。
2022年のメンバーで国内リーグ所属の選手はわずか三人。
しかし、国内リーグが盛り上がっていないわけではありません。
モロッコのサッカースタジアム
ASFARのサポーター
ASFARのサポーターが発煙筒を焚く様子
ASFARの試合後に混雑する駅
モロッコ国内リーグ強豪のASFARの試合を観戦したことがありますが、サポーターは超熱狂的。日本と同じようにチャントを歌う文化や旗振り・横断幕等も充実していました。試合終盤には発煙等も…!!かなりの盛り上がりを体感しました。
2026年アフリカネーションズカップの開催を終えて、次はスペイン・ポルトガルとの共同開催となる2030年W杯を迎えます。
W杯開催用のスタジアム建設も着々と進んでおり、カサブランカに建設中のGrand Stade Hassan IIはなんと最大収容人数115,000人になる見込みです!!建設費用は約5億ドルで、完成すれば世界最大のサッカースタジアムとなります。
終わりに
いかがだったでしょうか?
取り上げた「観光」「経済」「スポーツ」の分野で、モロッコは今後ますます注目を集めていくはずです!
Pick-Up!
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